骨粗鬆症治療薬についてまとめてみました。
国家試験対策や現場での知識としてぜひ参考にしてください。
・作用機序
・薬剤名
・注意点
・副作用
最後まで見ていただくと骨粗鬆症治療薬について網羅できます!
それでは本題に入ります!
ビスホスホネート薬
◆作用機序
①ビスホスホネートがヒドロキシアパタイトと結合
②破骨細胞に取り込まれる
③破骨細胞のアポトーシスを誘導
④骨吸収を抑制
◆薬剤
アレドロン酸(フォサマック®、ボナロン®)
イバンドロン酸(ボンビバ®)
エチドロン酸(ダイドロネル®)※1
ゾレドロン酸(ゾメタ®注、リクラスト®注)※2
パミドロン酸(パミドロン酸二Na®注)※2
ミノドロン酸(ボノテオ®、リカルボン®)
リセドロン酸(アクトネル®、ベネット®)※1→17.5㎎のみ
※1 骨ぺージェット病にも適応
※2 悪性腫瘍による高Ca血症にも適応
◆注意
・起床時に服用
服用後30分は水以外の飲食や服薬を避ける
→キレートを形成し吸収されにくくなる
※イバンドロン酸(ボンビバ®錠)は60分避ける
※エチドロン酸は食間に服用
2週間投与、10~12週間休薬を1コース
(周期的間欠投与)
・食道炎や食道潰瘍の報告あり
→立位や座位で約180mLの水で服用
服用後30分は横にならない
・内服薬によって複数の投与間隔あり
→規格によって日、週、月ごとと異なる
◆副作用
・上部消化管障害
(食道・胃・十二指腸潰瘍)
・顎骨壊死
投薬する際は歯科受診の有無の確認をしてください。また歯科受診時にビスホスホネート薬を服用していることについて伝えてもらいましょう。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
◆作用機序
・破骨細胞のエストロゲン受容体に作用
(アゴニスト作用)
→骨吸収を抑制
・子宮や乳腺のエストロゲン受容体に作用
(アンタゴニスト作用)
→乳がん、子宮体がんのリスク上昇抑制
◆薬剤
ラロキシフェン(エビスタ®)
バゼドキシフェン(ビビアント®)
※閉経後に使用
◆副作用
・静脈血栓塞栓症
・乳房緊満
・更年期症状(ほてり、多汗)
ビタミンD製剤
◆作用機序
腸管でのCa吸収増加
破骨細胞の機能抑制
副甲状腺からのPTH分泌低下
→骨吸収を抑制
◆薬剤
アルファカルシドール(アルファロール®、ワンアルファ®)
エルデカルシトール(エディロール®)
カルシトリオール(ロカルトロール®)
◆副作用
・高Ca血症
→症状:悪心・嘔吐、食欲不振、口喝
副甲状腺ホルモン製剤
◆作用機序
骨芽細胞の分化促進及びアポトーシス抑制
→骨形成を促進
◆薬剤
テリパラチド
(テリボン®皮下注、フォルテオ®皮下注)
※適応:骨折の危険性の高い骨粗鬆症
投与期間は24か月間まで
◆副作用
・悪心・嘔吐
・頭痛
・倦怠感
ビタミンK2製剤
◆作用機序
骨基質蛋白オステオカルシンをグラ化(γ-カルボキシル化)
→骨代謝を維持(骨形成促進・骨吸収抑制)
◆薬剤
メナテトレノン(グラケー®)
※食後に服用
→脂溶性が高く胆汁により吸収が高まる
◆副作用
・胃部不快感
・口内炎
・食欲不振
・便秘
★ワルファリンと併用禁忌
→ビタミンKは凝固因子促進作用あり
ワルファリンの作用を減弱
抗RANKLモノクローナル抗体
◆作用機序
①破骨細胞分化促進因子であるRANKLリガンドを阻害
②破骨細胞の成熟を阻害
③骨吸収を抑制
◆薬剤
デノスマブ(プラリア®注)
※6か月に1回投与
◆副作用
・低Ca血症
・顎骨壊死
抗スクレロスチン抗体
◆作用機序
①骨形成抑制因子のスクレロスチンに結合
②骨芽細胞による骨基質産生を促進
③骨形成を促進
◆薬剤
ロモソズマブ(イベニティ®皮下注)
※1ヵ月に1回、12ヵ月投与
◆副作用
・低Ca血症
・注射部位反応(疼痛、紅斑)
・添付文書
・インタビューホーム
ぜひ自己学習の参考にしてください。
随時内容を更新していきます!