パーキンソン病治療薬についてまとめてみました。
国家試験対策や現場での知識としてぜひ参考にしてください。
・作用機序
・薬剤名
・副作用
最後まで見ていただくとパーキンソン病治療薬について網羅できます。
それでは本題に入ります!
レボドパ含有製剤
◆作用機序
①ドパミンは血液脳関門(BBB)を通過できない
②前駆物質であるレボドパを投与
③脳内で減少したドパミンを補充
※レボドパは末梢のドパ脱炭酸酵素(DDC)によってほとんどがドパミンに代謝されてしまう
→ドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)と併用することでBBBを通過できるレボドパが増加
◆薬剤
レボドパ(ドパストン®、ドパゾール®)
〇レボドパ+DCI
レボドパ・カルビドパ
(ネオドパストン®、メネシット®)
レボドパ・ベンセラジド(マドパー®)
〇レボドパ+DCI+COMT阻害薬
レボドパ・カルビドパ・エンタカポン
(スタレボ®)
◆副作用
・悪心・嘔吐
・不随意運動(ジスキネジア)
・wearing off現象(長期服用に伴う)
・on-off現象(長期服用に伴う)
・悪性症候群(急な中断による)
症状:高熱、精神症状
自律神経症状、錐体外路症状
ドパミン受容体アゴニスト(麦角アルカロイド)
◆作用機序
線条体のドパミン受容体(D2受容体)に作用
◆薬剤
ガベルゴリン(カバサール®)
ブロモクリプチン(パーロデル®)
ペルゴリド(ペルマックス®)
◆副作用
・心臓弁膜症
・悪心・嘔吐
・食欲不振
ドパミン受容体アゴニスト(非麦角系)
◆作用機序
線条体のドパミン受容体(D2受容体)に作用
◆薬剤
アポモルヒネ(アポカイン注®)
タリペキソール(ドミン®)
プラミペキソール
(ビ・シフロール®、ミラペックス®)※
ロチゴチン(ニュープロ®)※
ロピニロール(レキップ®)
※レストレスレッグス症候群にも適応あり
◆副作用
・突発性睡眠
・傾眠
・悪心・嘔吐
・食欲不振
MAO-B阻害薬
◆作用機序
①モノアミン酸化酵素B(MAO-B)を阻害
②ドパミンの分解を防ぎ、ドパミンの濃度を上昇
◆薬剤
セレギリン(エフピー®)
覚せい剤原料
1日10㎎を超えない
→MAO-Aまでも阻害してしまう
ラサギリン(アジレクト®)
覚せい剤原料に該当しない
→アンフェタミン骨格構造を有しない
◆注意
・三環系抗うつ薬、SSRIなどと禁忌
◆副作用
・幻覚
・せん妄
・ジスキネジア
COMT阻害薬
◆作用機序
①末梢組織でのCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)を阻害
②脳内へのレボドパの移行を増加
◆薬剤
エンタカポン(コムタン®)
→1日8回まで
オピカポン(オンジェンティス®)
→1日1回
日内変動(wearing off現象)の改善
必ずレボドパ製剤と併用
◆副作用
・悪性症候群
・横紋筋融解症
・悪心
・傾眠
レボドパ賦活薬
◆作用機序
詳細不明であり以下の作用が考えられる
①ドパミン合成能促進
MAO-B阻害作用
②レボドパ作用を増強
◆薬剤
ゾニサミド(トレリーフ®)
振戦、wearing off現象に有効
レボドパ製剤と併用
◆副作用
・眠気
・ジスキネジア
アデノシンA2A受容体
◆作用機序
①線条体と淡蒼球のアデノシンA2A受容体を遮断
②GABAの過剰興奮を抑制
◆薬剤
イストラデフィリン(ノウリアスト®)
wearing off現象の改善
レボドパ製剤と併用
◆副作用
・ジスキネジア
・幻覚
・幻視
・便秘
抗コリン薬
◆作用機序
①ムスカリン受容体遮断
②ドパミンの欠乏に伴い相対的に亢進しているアセチルコリン神経の働きを抑える
③ドパミンとアセチルコリンのバランスを整える
◆薬剤
トリへキシフェニジル(アーテン®)
ビペリデン(アキネトン®)
ピロへプチン(トリモール®)
マザチコール(ペントナ®)
※薬剤性パーキンソン症候群や軽度のパーキンソン病に使用
◆副作用
・口喝
・便秘
・排尿障害
・幻覚
・錯乱
※高齢者では認知症を悪化させるおそれあり
ノルアドレナリン前駆物質
◆作用機序
①ドロキシドパはノルアドレナリンの前駆物質
②脳内に移行しドパ脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され作用
◆薬剤
ドロキシドパ(ドプス®)
すくみ足、立ちくらみ(起立性低血圧)の改善
◆副作用
・頭痛
・悪心
・血圧上昇
ドパミン遊離促進薬
◆作用機序
詳細は不明だが以下の作用が考えられる
NMDA受容体拮抗作用
ドパミン遊離促進作用
◆薬剤
アマンタジン(シンメトレル®)
ジスキネジアにも有効
振戦への効果は乏しい
◆副作用
・幻覚
・せん妄
・添付文書
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